夢のお話
以下の言動はすべて実際は夢の中の事です。
=========================================
ベッドから起き上がろうとする。
部屋は暗いままだ。
色々な夢を見たが、ようやく覚めてこれは現実なんだとはっきりと認識する(注1)。
横になっている体を起こそうとすると、手足が痺れていて、動かせない。まどろみの中で瞼がものすごく重い。
「このまま目を開けたまま無理に体を動かそうとするとやばい」
私は経験(注2)から知っていた。このままだと霊のようなものが見えてしまう。霊のようなものに話しかけられてしまう。そして霊界のようなところに連れていかれてしまう。
だから、いつも通り(注3)目を瞑って必死で違うことを考えて独り言のように口に出す。今日はこう言おう。
「pァ、p、パスタさ、好きなんだけどさー、あれさ、ゆ、茹でるのがめんどいんたよな。パスタの麺をさ、お湯に入れるじゃん、あのお湯をね、用意するのが○×%#mぁずだるい。ティファールとかでまずささっと用意して、そこにパスタを入れて7分とか。ぁ、あ、洗い物増える。だから私ね、タッパーでやってるんよ。パスタを半分にぉ、ぉ、o折って、タッパーに×☆#^*〒$レンジでチンする。これ楽なんだよー」
ああ、なかなか口がうまく回らなくて吃ったりしてしまう。でも、パスタのことをぶつぶつ呟いてるうちに徐々に金縛りが解けてきた。途中でめげそうになっても、構わずパスタのこと話しててよかった。
なんとか部屋の扉(注4)も開けて、リビングから漏れる光を目指して暗い廊下を歩く。リビングにいくと、キッチンに母親がいた。私を見てる。ちょっと視界が霞んでるな。でも母親がいることに安堵した。あぁ、お母さんいるじゃん、これは現実なんだ。そう思ったらいまだパスタの独り言を呟きながら泣けてきてしまった。
=========================================
ここで、パッと目が覚める。文字通り「パッ!」と覚める。
今までの、夢だったんだ、また同じようなのだったな、と。
こういう夢から覚めた時はきまって前頭葉に酷い痛みを感じる。眠気も飛んでいない。
とりあえず、以下に脚注を書いていく。
(注1) 実際は夢の中なのだが、それ以前に見ていた夢から覚めた夢だと勘違いしているのか、現実だと思い込んでいる。暗い部屋、自分のいる位置、部屋の間取り諸々からしてもこれは現実だし、こんなに意識がはっきりしている、と思っている。
(注2) シチュエーションは若干違えど、頻繁にこのような「はっきりとした意識下で現実であると思い込んでいる」夢を見る。これまでに何度か、夢の中での金縛り中に無理に体を動かそうとしたり目を開けていると霊のような幻影のようなものを見たことがある。というかだいたい見る。
(注3) 独り言をぶつぶつ言っていると、余計なものを見ない、聞かなくて済むのである。多分意識を独り言だけに集中させてるから。それに気づいてからは、同じような状況になったときにひたすらなんでもいいから言い続け、徐々に金縛りを解いていこうとしている。そしてなぜか部屋から出ようとする。
(注4) ほぼ毎回自分の部屋がシーンになっている。が、扉の位置がちょっと違ったり、飼っているレオパがなぜか2匹に増えていたりと、所々が少しずつ現実とは異なっている。夢の中ではそれに気付かずに「ここは自分の部屋だからさっきまで寝てたけど起きたんだ」となる。たまにこれは夢の中だなと気付くこともある。
このような「金縛り」「幻影」「夢か現実かあやふや」な夢を初めて見たのが去年の冬くらいだ。
間が空いて、その次には、今年の8月頭頃。その時は幻影ではなく幻聴だった。
そこからは怒涛だった。頻繁にこういう夢にうなされるようになった。怖くて仕方ない。もちろん普通の夢も見る。が、怖い夢の方が頭には残ってるもので、今でも思い出せる。きまってその時寝ている自分の部屋だが、一人暮らしの時、引っ越す前の実家、今の実家、と場所は違うから事故物件とかではないと思う。わたしには霊感もない。親が横にいたり妹が横にいたりと、必ずしも一人で寝ている時とは限らない。だったら理由はなんなのか。
以上、本当に怖い夢のお話でした。